10年に及ぶ宇宙の旅の末に辿り着いた彗星の意外な「匂い」とは
2014年にヨーロッパ宇宙機構(ESA)の探査機ロゼッタによって世界初の彗星着陸が行われた「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星は2004年に打ち上げられたヨーロッパ宇宙機関 (ESA) の探査機ロゼッタのターゲットとして選定された。ロゼッタの探査の準備として、2003年3月にはハッブル宇宙望遠鏡 (HST) が撮影した彗星の写真が詳しく分析され、核の全周3-Dモデルが作られ、さまざまな角度からのCGが描かれた。 2014年7月14日には、ロゼッタが1万4,000kmの地点から撮影した写真が公開された。観測により彗星が2つの彗星がゆっくりとぶつかってそのまま結合したような奇妙な形状であることが分かった。また20分間隔で撮影した画像を組み合わせて動画にし自転の様子も分かるようになった[1]。 ロゼッタはその後、打ち上げから実に10年後となる2014年8月6日、彗星の周回軌道への投入を達成した。ロゼッタによる観測では、詳細な地表写真などが撮影されるとともに、着陸機フィラエによる世界初の彗星軟着陸が試みられた。同機は2014年11月12日15時35分 (UTC)、彗星表面への着陸に成功した。
探査の結果、この彗星には硫化水素やアンモニア、シアン化水素が存在することが判明しました。
この物質にはそれぞれ「匂い」が存在するのですがその「匂い」がなんとも意外なものだったのです。
腐った卵・猫のおしっこ・アーモンド
硫化水素やアンモニア、シアン化水素の3つの匂いはそれぞれ腐った卵・猫のおしっこ・アーモンドのような匂いだそうです。
この匂いを実際に嗅いだ研究者は「頭蓋骨まで染み込んでくるような匂いだ」と表現しています。
宇宙空間では当然宇宙服を着ていますから実際の匂いは分かりませんが、存在する物質から推測するとこんな匂いになるんですね。実に面白い!
じゃあ宇宙の「匂い」はどんなものなのか
彗星の匂いはあんまりよろしくない事がわかりました。
では宇宙の匂いってどうなんでしょう。
実際に宇宙に行った宇宙飛行士が宇宙の「匂い」について語っていました。
彗星と同じように、宇宙遊泳中は宇宙服を着用しているため匂いは分かりませんが、遊泳を終えて宇宙船に戻った際に身につけていた宇宙服や手袋から放たれる匂いは独特なものだそうです。
それは「ステーキの焼ける匂い」「ラズベリーの匂い」
彗星と違ってめっちゃいいじゃん!
宇宙飛行士ドン・ペティット氏は、
「この匂いを表現するのは大変難しいが、チキン料理の匂い?一言で表現するなら、甘い金属の匂い。それを嗅ぐことはむしろ心地よく、大学時代、重機を修理する為に、アーク溶接した時のことを思い出した。金属の匂いなんだけどフルーティーな甘い香りもする。それが宇宙の香りなんだ。」
と語っています。
ちなみにスペースシャトルの匂いは?
じゃあスペースシャトルの中の匂いってどんなんでしょう。
日本人宇宙飛行士・山崎直子さんが語っていました。
「スペースシャトルから国際宇宙ステーション(ISS)に乗り移った瞬間は、閉めきっていた部室のようなモワッとした匂いがしましたね。たくさんの人が入れ代わり立ち代わりして10年以上も生活していますから積もり積もった匂いが......」
閉め切った部室ですって。笑
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